結婚式は大切なお祝いごとだからこそ、知らない間に相手に不快を与えたくない、また自分においても恥をかきたくないですね。
この記事では、結婚式出席(挙式+披露宴)のご祝儀マナーについて紹介します。
全て読む必要のない方は、目次から必要項目をクリックしてお読みください。
目次
結婚式出席におけるご祝儀金額の目安
イラスト:PIXTA
まず目安のご祝儀相場一覧表をご覧ください。
あなたはどこに当てはまりますか?
相場一覧表
金額を決めるポイント
金額を決めるポイントは、
続柄、お付き合いの深さ、年齢を加味しない一般的な相場が3万円であることを抑えておきます。
それを基準にして、年齢や関係性、また先に自分が結婚式を挙げてご祝儀を受け取っている場合、その金額も参考にして決めていきます。
金額を相談できる間柄の出席者がいれば、相談し合って決めるのもひとつです。
親戚においては、普段からのお付き合いの深さにバラつきがあると思いますから、親戚同士一律の金額と考える必要はありません。
結婚式のご祝儀は、招待状の数とイコールです。
縁起が良い数字、良くない数字
結婚式のご祝儀マナーでは、縁起がいい数字、良くない数字があります。中国の陰陽思想にもとづいたものです。
結婚式では奇数が良いとされます。
偶数は割り切れるので、別れを連想させてしまい良くない数字として扱われます。
偶数でも2万円、8万円は差し支えありません。
2万円は「1ペア」を連想し、
8万円は末広がりに由来するためです。
2万円を包むとき、お札の枚数どうする?
2万円は学生の事情が多いです。
2万円の包み方は、お札の枚数について2通りの考えが存在しています。
ひとつは1万円札を2枚包むことで偶数になりますが「一対(ペア)」とする考え方です。
もうひとつは1万円札1枚と5千円札2枚を包むことで「枚数を割り切れない奇数にする」考え方です。
受け取り方は人それぞれ違うので、2万円においては立場が同じ出席者とお札の枚数を揃えると無難です。
私は、1万円札2枚で包むことをおすすめします。
5千円というのは会計する際手間ですし、そこを気にする人は減っている印象があります。
ご祝儀袋は水引に注意して選ぶこと
イラスト:PIXTA
ご祝儀袋は、水引(みずひき)に注意して選びます。
結びきりの水引が正式
結婚式のご祝儀袋の水引は、あわじ結びを含めた「結びきり」がふさわしいです。あわじ結びは結びきりの仲間です。
これらは両端を引っ張ると更にギュッと強く結ばれるので、結婚に縁起がいい結びです。
上の写真では結びきりの基本中の基本を載せていますが、ショップでは結びきりがアレンジされたデザイン性に富んだご祝儀袋を多く見かけます。もちろんそれらで問題ありません。
気を付けて!蝶結びの水引はNG
水引が蝶結びのご祝儀袋は、結婚式には使いません。
蝶結びは両端を引っ張るとするりとほどけてしまい、縁起でもない!となってしまうからです。
蝶結びは何度も結び直せるので、何度あっても慶ばしい出産祝いや長寿祝い等に使われます。
ご祝儀袋は金額に応じて選ぼう
ご祝儀の金額と包みは、バランスをとりましょう。
(参考)
目上の方には、カジュアルなご祝儀袋は使わない方が無難です。
無地の短冊は何に使うの?
ご祝儀袋を購入すると、無地の短冊が入っていることがあります。
これなぁに?と思ったことはありませんか。
無地の短冊は、表書きの短冊の下に重ねることで「より慶びを重ねる」という意味で使われることもあります。
しかしながら、表書きの短冊1枚が間違いということではありません。
無地の短冊は書き損じたときに使用してもいいです。重ねて使わなくても無礼にはなりません。
古くからは、短冊を使用せずご祝儀袋に直接記入することが正式とされていました(現代は短冊使用が一般的になっています)。
短冊は購入時に同封されている両面シール、または自宅にあるのりでバラけないように留めます。短冊がひらひら紛失すると、誰からのものかわからなくなってしまいます。相手も自分も困りますよね。
ご祝儀袋の書き方
写真:PIXTA
短冊を使用する場合
上段に表書きの名目(例:寿)、下段に名目よりやや小さめに贈り主の氏名を書きます。
会社名も記入する場合は、氏名より小さめに書き添えます。
3名までは連名でも構いませんが、それ以上は外家族一同等わかるように記入をし、別紙に全員分の氏名を書き中袋に入れておきます。
別紙の記入例(右から年長順に書きます)
ご祝儀袋に直接記入する場合
ご祝儀袋に直接記入する場合は、記入する場所が短冊ではなくなっただけで、短冊を使用する場合と変わりありません。
中袋の書き方
写真:PIXTA
中袋には忘れずに金額、住所、氏名を書きます。
書かれていないと、金額の確認をするときに、誰からのものかわからなくなってしまうことがあります。
中袋、中包み、たとう折りの記入例
金額の書き方は下に続きます。
金額の書き方
円のあとに「也(なり)」を記入することもありますが、これはどちらでも構いません。
「也」を記入するのは古くからのマナーの名残です。
古くは銭の発行がありましたが、1953年制定の小額通貨整理法により銭の発行はなくなっています。
1953年以前に金額を記す際、それ以下の端数がないことを示す為に「也」を記入した歴史があったと推測されます。
現代は端数はないので「也」を記入してもしなくても間違いとはなりません。
「也」を記入しない傾向は増えているように思います。
漢字の「円」は、旧字体の「圓」も使われますがこれもどちらでも構いません。
記入するときの筆記用具は、ボールペン、万年筆は避けて毛筆で記入します。筆ペンでOKです。
結婚式には濃墨(こずみ)ではっきりと濃く書きましょう。
百貨店や大型文具店でご祝儀袋を購入すると、筆耕サービスを受けてくれるところもあります(有料の場合有り)。日数がかかることもあるので、日にちにゆとりをもって問い合わせてください。
もちろん、気持ちがこもった自分の字で書くも良しです。
お札を入れる向き
写真:PIXTA
お札の入れ方は、
おもて面に「お札のおもて」が向くようにし、
上部に「お札の肖像側」が向くようにします。
中袋のとき
中包みのとき
ご祝儀袋を購入すると既に折りたたまれています。それを開きお札を入れて、また閉じます。
お札を入れたら糊付けはしません。
ご祝儀袋の閉じ方
写真:PIXTA
ご祝儀袋の外包みの閉じ方は、上側を先に下ろし、次に下側を上に「上げる」折り方となります。
ご祝儀と不祝儀は違うので、逆にならないよう気をつけます。
新札を用意しよう
写真:PIXTA
ご祝儀は新札を用意するのがマナーです。銀行の窓口または両替機でできます。
新札を用意することは、「招待された結婚式を嬉しく思い、待ち遠しく思っていました。」という心の表れへと繋がります。
ご祝儀袋は袱紗(ふくさ)で包んで出かけるのがマナー
写真:PIXTA
心を包む、またご祝儀袋を汚さないための配慮から、ご祝儀袋は袱紗(ふくさ)で包んで式場に向かうのがマナーです。
ふくさの種類
大きく2タイプに分かれ、風呂敷タイプと簡略化されたタイプがあります。
風呂敷タイプは台付ふくさ、手ふくさ、袷(あわせ)ふくさがあります。
簡略化されたタイプは挟みふくさ、差し込み式ふくさがあります。
風呂敷タイプは簡略化されたタイプより格式高い印象を残しますが、
使い勝手の面から最近は簡略化されたタイプが多く見られます。
どれを選んでも問題ありません。
台付ふくさ(風呂敷タイプ)
台付ふくさは、切手盆に金封を乗せてふくさをかける使い方が簡略化されたものです。
台があるのでご祝儀袋が折れ曲がる心配がありません。
手ふくさ(風呂敷タイプ)
小ぶりな風呂敷です。
手ふくさは台が付いていないので、お渡しのあと小さく畳んでバッグにしまえます。
またご祝儀袋の大きさに対し柔軟に包めます。
袷ふくさ(風呂敷タイプ)
手ふくさに白い裏生地が付いたものです。
挟みふくさ(簡略化タイプ)
ふくさの蓋を開き、ご祝儀袋を挟み入れるだけで手軽に使えます。
差し込み式ふくさ
差し込むだけで蓋も付いていない、とてもシンプルなふくさです。
はさみふくさと同様、手軽な使用感です。
個人的には、この差し込み式ふくさは使いやすくおすすめです!
ふくさの色には注意
うぐいす色などの暗い色は弔事向けです。
結婚式ではエンジやベージュなどの明るい色を使用します。
もし1つだけふくさを持つなら、男女共通、慶弔両用使いができる「紫色」です。
ふくさの包み方
結婚式では右開きとなるようにします。弔事は逆の左開きなので気をつけてください。
知らない間に相手に不快を与えない、また自分が恥をかかないために
写真:PIXTA
結婚式のご祝儀マナーで相手に不快を与えない、また自分においても恥をかかないためには、
慣習にならうことこそが、ただシンプルなポイントです。
準備が整ったなら、2人の結婚式を思いきりお祝いしましょう!
<結婚式出席におけるご祝儀マナーのポイント>
- 続柄、お付き合いの深さ、年齢を加味しない一人あたりの相場は3万円
- 招待状の数イコールご祝儀の数
- ご祝儀袋は金額とバランスがとれたものを選ぶこと
- 中袋には金額、住所、氏名全ての記入を忘れない
- ボールペンや万年筆ではなく毛筆で書くこと(筆ペンOK)
- ご祝儀袋の閉じ方は、不祝儀袋と逆なので注意すること
- 新札を用意する
- 袱紗(ふくさ)で包んで持参するのがマナー