私たち日本人が慣れ親しむ和食。
それなのにいざ日本料理の接待となると、食べ終わったお椀の蓋は逆さにして戻すほうがいいのか、それとも元通りに戻すほうがいいのか、なんてふと考えてしまうものです。
食べ方を見ればその人の素性がわかる、とまで言われてしまうこともありますから、和食を食べるときの基本である「箸」と「お椀」のマナーはぜひ知っておきましょう。
目次
箸の上げ下ろしの所作
箸の持ち上げ方
1.右手で箸を持ち上げる
2.左手で箸を受ける
3.右手で箸を持つ
右手を箸の右端まで滑らせ、手のひらをおもてに返して箸を持ちます。
箸の下ろし方
1.左手で箸を受ける
2.右手で箸を持つ
右手を箸の右端まで滑らせ、手の甲をおもてに返して箸を持ちます。
3.箸置きに戻す
蓋付きお椀の開け方と戻し方
蓋の開け方
1.お椀に左手を添えて固定します。
2.右手で蓋を開ける
右手で蓋の高台（こうだい）を持ちます。
3.お椀の内側にしずくが落ちるようにゆっくりと蓋を開けます。
4.蓋に左手を添えて両手で持つ
5.右手で仰向けに置く
蓋が外れにくいときは、お椀を支えている左手で、軽くキュッと締めつけてみてください。それでも蓋が外れないときは、無理をしないでお店の方を呼び開けていただきます。無理をして中身がこぼれてはアクシデントです！
蓋の戻し方
1.右手で蓋を持つ
2.左手を添えて両手で持つ
3.右手で元に戻す
お椀を持ちながらの箸の上げ下ろし
お椀を持ちながらの箸の上げ方
1.両手でお椀を持ちます
2.左手をお椀の底に添えて持ち、右手を離します
3.右手で箸を持ちます
4.左手の人差し指と中指の間で箸を受けます
5.右手を右端まで滑らせ、手のひらをおもてに返して箸を持ちます
お椀を持ちながらの箸の下ろし方
1.左手の人差し指と中指の間で箸を受けます
2.右手を箸の右端まで滑らせ、手の甲をおもてに返して箸を持ちます
3.箸を箸置きに下ろします
4.お椀を両手で置きます
お椀とご飯茶碗を連続して持つ箸の上げ下ろし
続けてご飯茶碗に持ち替える所作です。
1.箸先を自分側に向けます
2.右手をお椀に添えて、お椀を置きます
3.ご飯茶碗を両手で持ちます
4.左手をご飯茶碗の底に添えて、人差し指と中指の間で箸を受けます
5.箸を整えながら持ち直し、いただきます
あまりにも連続して持ち替え続けるのは控え、箸を休めることを忘れずに。
箸袋の扱い方
箸袋入りお箸は、食事が終わったら箸袋に戻します。その際箸袋は、写真のように折ります。
使用済みの箸であること、汚れた箸先を包めること、食事が終わったサインとしてお店側に伝わる心遣いです。
和食のNGマナー
最後に、ありがちな和食のタブーを紹介します。
思い当たった方は気をつけてくださいね。
箸先を相手に向けるのはNG
お椀の蓋に貝殻を乗せるのはNG
貝殻はお椀の中に置いたままにします。
食べ終わったあとお椀の蓋をひっくり返すのはNG
お椀の蓋は写真のようにひっくり返さず、元通りに戻します。
お椀の高台（こうだい）に手を引っ掛けるのはNG
基本的には、お椀の底に手のひらを平らにして持ちましょう。
箸を食器の上に置くのはNG
渡し箸と言われておりタブーです。箸は箸置きに置きます。
和食マナーの基本は「箸」と「お椀」
和食はユネスコ無形文化遺産に登録されており、日本が誇れる食文化です。
日本人同士の接待のみならず、外国の方をもてなす機会にも、そして何より日常において「箸」と「お椀」を正しく持てることは食事をより楽しくしてくれます。
＜「箸」と「お椀」マナーのポイント＞
- お椀の蓋がどうしても開かないときは、無理をせずお店の人を呼んで開けてもらう
- 箸袋入りの箸は、食べ終わったら袋に戻し、袋を折る
- 箸先を相手に向けない
- お椀を食べ終わったら蓋は元に戻す
- 箸は器の上ではなく箸置きに置く
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